2008年6月3日火曜日

Turio

先日、横浜スタジアムで、ワールドカップアジア3次予選の日本対オマーン戦が行われました。この試合で引き分け以下なら最終予選進出に暗雲が漂うと同時に、岡田監督も更迭必至の空気でした。3月のバーレーン戦で敗れた後、選手の間では指揮官への不満が噴出するという最悪の事態でした。しかし、選手たちを一人一人説得して、チームをまとめあげたのはこの日先制点をたたき出した中沢選手でした。前半10分に、遠藤選手の左コーナーキックに中沢選手が豪快に飛び込んで重苦しい雰囲気を一掃し、流れを呼び込みました。この日はこの崖っぷちという状況がよかったのか、いつもの日本代表ならば先制点のあとは油断したり、浮き足立ったりしてまったく攻めっ気がなくなっていたのが、この日は先制点をとった後も変わらず攻めの姿勢を見せており、集中力も保っていました。そしてだれもが目を疑ったのが、前半22分の2点目のシーンです。中村俊輔選手からのロングフィードを最前線で受けて、頭で落として大久保選手に絶妙なアシストをしたのは、最終ラインにいるはずのDF闘莉王選手でした。浦和ではボランチとしてリーグ戦6得点を挙げ、攻撃センスを発揮していましたが、この攻め上がりを岡田監督は一時禁止していました。しかし、この試合ではどんどん上がれと解禁。通常はチームでゴールに絡むさいは、ドリブルやパスなどでボールを自分で運んでいくのですが、この日のアシストは誰も気づかないうちに最前線へと駆け上がっていました。この時得点を決めた大久保選手も後半に交代するまでガッツのあるプレーでチームを引っ張っていました。2日前まではへんとう炎のため39度の高熱にうなされ、調整も満足にできていない状態でのこのパフォーマンスは目を見張るものがありました。そして後半4分の中村俊輔選手のゴールです。このゴールはもちろん中村選手の技ありのシュートなのですが、この得点が生まれる前のワンプレー、松井選手の個人技からのパスが絶妙に絡んでの得点でした。このワンプレーに日本代表の明るい未来が見えたようなそんな気がしました。ただ、相手は格下のオマーンでしたから、今後の試合でもこういったプレーが見られると世界でも上位のチームに成長するような気がします。

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