2008年6月1日日曜日

NAGOYA_GRAMPUS

勢いを失うことなく2位につけている名古屋グランパスエイト。その好調の要因はいったい何なのでしょうか。名古屋の躍進は、Jリーグ全体に大きなサプライズを与えています。カリスマ性を秘めたストイコビッチ監督の就任でチームに新たしい風が吹きこまれ、選手たちも水を得た魚のように躍動感あふれるプレーを披露しています。13節を終えて2位という好成績は、新生グランパスにしてみればこれ以上ないスタートでした。リーグ開幕前にはその手腕を懸念する声も上がっていたことを考えれば、いい意味で予想を裏切ったことになります。今シーズンの名古屋は、流れるようなサイド攻撃を軸に得点を重ねています。小川選手とマギヌン選手を起点に、サイドバックの安部選手と竹内選手が積極的にオーバーラップするという厚みのある攻撃から、幾度となくチャンスをつくっています。さらに、日本代表に復帰した玉田選手とヨンセン選手のコンビネーションもよく、十分な経験と高い技術を兼ね備えたツートップはこれまで安定した働きを見せています。ストイコビッチ監督は、「常に攻撃的なサッカーがしたい」といつも言っており、シンプルながらも連続性が高く、豊富な運動量に支えられた流動性の高い攻撃は、今シーズンの特徴として挙げられるでしょう。そうした攻撃面での華やかさが際立つ一方で、これまで守備が大きくクローズアップされることは少なかったです。しかし、好調なチーム状況の根幹を探っていくと、そこには守備におけるひとつのキーワードであるコンパクトネスが見られます。それこそがまさにストイコビッチ監督が掲げている「いい攻撃はいい守備から生まれるもの」というサッカー哲学を実現しているということなのでしょう。とくに目を引くのが極端に狭いFWからDFまでのタックルラインの間隔です。これは名古屋がリーグでもっとも狭く、それだけ全体がコンパクトにまとまっていることを表しています。守備の陣容はバランスよく保つように気をつかっており、中盤のスペースはできるだけ埋めるようにしています。これもおそらくストイコビッチ監督の提案によるものなのでしょう。これほど徹底的にシステム化したチームはJリーグにはあまり前例がないので、今後どう躍進していくかが非常に楽しみです。

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