2008年5月21日水曜日

Sorimachi_Japan

第36回トゥーロン国際大会が開幕しました。U-23世代で出場している日本はFWの李忠成選手の決勝点でオランダを相手に1-0で勝利しました。反町ジャパンで培われた意地のゴールは、泥臭さの中から生まれました。前半戦を0-0で折り返し、後半の20分、自陣ゴール前からのフリーキックをGKの西川選手が大きく蹴りだすと、前線で張っていたMFの谷口選手が空中戦で競り勝ち、ボールはゴール前にこぼれました。そこですかさず李選手がオランダのDFファンエイデン選手のボール処理のミスを誘うと、こぼれたボールを拾い、左足でアウトにかけたシュートでゴールを決めました。貴重な先制点を奪った李選手は両手を握り締めて渾身のガッツポーズを見せました。結局この1点が決勝点となり、この日の試合は日本がオランダを下しました。五輪出場が決まってから、日本のサッカー界はオーバーエージ枠の話題が多くを占めていました。決定力不足が続くため、高原選手や大久保選手らFWのオーバーエージ選手を招集することが当然のように言われ始めていました。その状況をうけて李選手はインタビューで決定力不足を指摘されたときも「点を取れるようにがんばります。」と真剣な顔つきで答えていました。だからこそこの試合ではどうしても点をとりたかったのでしょう。平山選手が反町ジャパンから落選し、李選手はいちばん古いFWとなりました。そして今回から森本選手と、エスクデロ選手らの新しいFWが召集されたことも、李選手の闘争心に火をつけたようです。李選手の1点によって試合には勝利しましたが、この日のオランダのメンバー構成は1人を除いて全員が21歳以下でした。今回からU-23の大会になって、多数の五輪出場予定メンバーで臨んだ日本とは事情が違いました。オランダの五輪代表予定メンバーは現在オランダ国内で合宿中で、そこで落選した4選手がトゥーロンに回ってきたそうで、いわば2軍との対戦だったのです。当然、五輪本番で対戦するオランダの実力は今回の比ではなく、素直に喜ぶことはできません。反町監督も、これで満足したら本番で恥をかくと警戒心を緩めていません。本番までにチームとしての総合力を高めることがどうしても必要でしょう。

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