2008年5月3日土曜日

this season

今シーズンの世界中のサッカーニュースで私が最も衝撃を受けたのは、間違いなくプレミア・リーグのチェルシーの監督を務めていたジョゼ・モウリーニョさんの電撃引退でしょう。初めてそのニュースを目にした時には自分の目を疑いました。彼は、1963年生まれのポルトガル人で、その独自の練習方法や、サッカー理論、カリスマ性を持ち合わせた人物で、新時代の名監督と言われていました。彼をビッグネームに押し上げたのは2002年から2004年のFCポルトの監督をしていた時の活躍です。彼は、この評価の高くないFCポルトを「来年チャンピオンにしてみせる」と予言し、2002年から2003年のシーズンには予言を超える3冠を達成しました。さらに翌年は、軽々とリーグ2連覇を達成し、UEFAチャンピオンズリーグでもチームを17年ぶりの優勝へと導きました。その結果が世界的な評価をうけ、2004年からプレミアリーグのチェルシーの監督となったのですが、これまで以上に強いインパクトを残しました。なんと就任1年目にして、チェルシーの50年ぶりともなりリーグ優勝をもたらし、さらに国内カップをも獲得して2冠達成という結果を残したのです。まさに神業というしかない偉業を達成したジョゼ・モウリーニョですが、その勝ちに貪欲なチーム作りと、相手チームを煽るような数々のコメントに対して多くの批判も受けていました。彼のサッカーを認める人と認めない人の2極化となってしまったのです。オーナーのアブラモビッチ氏はオーナーでありながら、どちらかというと認めない人の部類で、モウリーニョ監督の采配や選手獲得について多く口を挟むようになってきていました。2006年から2007年のシーズンではモウリーニョ監督の得意とするカウンターサッカーをやめて、観客を楽しませるための美しいアタッキングサッカーを実現せよとの指令がでました。また、選手の獲得ではモウリーニョ監督が世間の評価よりもチームとして機能するかを重視していたのに対して、オーナーはビックネームを多く獲得することを好みました。こうして、現場に介入された監督は当然自分の力を発揮できるはずもなくとれるはずだったタイトルすらも逃してしまい、ついには2008年に引退してしまったのです。実際にはオーナーのアブラモビッチ氏から解雇されてしまったという見方もあります。現在は監督業から離れているモウリーニョさんですが多くのオファーが来ており、来シーズンの動向とその活躍が大いに注目されます。

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